固定資産を購入した時の入力方法【固定資産台帳の登録】

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「固定資産台帳ってなに?」
「まだ簡単な入力しかしたことがない」

という人向けの記事です。

入力作業では固定資産台帳の管理も必ずします。

 

例えば車両を購入したら

車両運搬具 | 預金 〇〇円

という処理をしますが、これとは別に「固定資産台帳」にも登録をします。

 

私自身は入社してまもない頃はこの認識はまったくなく、

入力チェックを先輩に依頼して固定資産台帳の登録もしておいてと言われた時は

 

「固定資産台帳ってなんですか?」

と聞いてしまいました(笑)

 

今では当たり前に固定資産台帳の管理をしていますが、やはり未経験者はつまずき易いのではないかと思います。

特に一人社長や従業員も少ないような法人だと固定資産の購入は頻繁にはでないので、どうしても慣れるというのは時間がかかると感じます。

 

なので、固定資産台帳はどんなものかを知ってもらうために、この記事では車両を購入した時の固定資産台帳の登録画面を実際に見ながら基本的な登録方法を説明していきます。

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固定資産台帳とは何か

例えば決算報告書のBSに

工具器具備品 850,000円
車両運搬具  5,680,000円
減価償却費 ▲4,386,000円

といった記載があったとします。

 

この金額は

ノートパソコン(車両運搬具) 2台

プリウス(車両運搬具) 3台

といった固定資産の種類ごとの合計です

 

この合計金額をだすためには固定資産ごとに減価償却費を計算する作業が必要です。

そこで、

 

固定資産の個別の管理をするために「固定資産台帳」を使用します。

 

固定資産を購入すると取得価格・耐用年数・償却方法といった情報を必ず固定資産台帳に登録します。

 

固定資産台帳

 

実際に固定資産台帳を登録画面をみる

何でも実際に画面を見ていかないとイメージも湧かないので、新車の車(プリウス)を購入した時の登録画面を見てみましょう。
(登録画面は弥生会計です)

 

8月決算法人が

令和4年6月10日に新車で300万円で購入したとします。

固定資産台帳には以下のような情報を登録します。

資産名
勘定科目
取得価格
取得年月日
事業供用開始日
新品か中古か
耐用年数
償却方法
当期償却額(自動的に計算される)

 

それでは順番に上からみていきましょう。

固定資産台帳の登録画面

資産名

購入した資産の名称です。

ここでは車の「プリウス」とします。

勘定科目

会計入力で処理した勘定科目です。

ここでは「車両運搬具」とします。

取得価格

固定資産を購入した金額になります。

今回は300万円です。

取得年月日・事業供用開始日

固定資産の償却開始日は購入日ではなく実際に使い始めた日になります。

かなり厳密に言えばパソコンを買ってダンボールのまま事務所においておいたら実際に使い始めていないので、減価償却は始まりません。

ダンボールから出して設置したら事業に使い始めたということになります。

 

しかし、実際にそこまで細かく確認したことはありません。

購入したらふつうはすぐに使いますよね。

 

それに6/1に購入して6/20に使い始めても償却月数の端数の一か月未満は切上げになるので、その事業年度の償却月数は同じになります。

 

なので、

取得年月日=事業供用開始日

としています。

 

しかし、会社によってやり方は異なるかもしれないので最初は周りに聞いて確認した方がよいです。

償却月数

事業供与開始日を登録すれば償却月数は自動的に計算されます。

 

期首から期末まで所有していれば償却月数は12ヵ月となりますが、期中に取得すると事業供用開始日から期末までの期間が償却月数になります。

償却月数に1か月未満の端数がでれば、切り上げになります。

 

つまり、

事業年度 令和3年9月1日~令和4年8月31日 

の場合、

 

令和4年6月10日が事業供用開始日とすると期末令和4年8月31日までは

「2ヵ月20日間なので

償却月数は切り上げて「3ヵ月間」となります。

耐用年数・中古か新品か

固定資産ごとに耐用年数は決まっていますが、主な固定資産の減価償却は国税庁の耐用年数表にのっています。

国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

私の場合は会社から支給される税務ハンドブックという書籍で耐用年数を確認しています。

(国税庁のものよりも詳しく記載されています)

 

入社した会社によって参考にする資料は異なるのと思うので、周りに確認した方がよいです。

新品と中古では耐用年数が変わるので、その確認はしっかりとしてください。

一覧表の耐用年数は全て新品で購入した場合の耐用年数です。

 

中古の場合はワンクッション計算が必要です。

 

よくでる固定資産の購入は車両で

新車の場合の耐用年数は、普通車6年 軽自動車4年です。

 

普通車と軽自動車で耐用年数が異なるのはポイントなので、覚えておくとミスを回避できます。

(ベテランの人でもうっかり間違えていました)

 

今回は新品の普通車なので6年です。

償却方法

大きく分けると

建物          平成19年4月1日~ 定額法
建物附属設備及び構築物 平成28年4月1日~ 定額法

上記以外の有形固定資産 平成24年4月1日~ 定額法(所得税)・200%定率法(法人税)

となっています。

 

車両は「上記以外の有形固定資産」になるので200%定率法になります。

 

法人か個人事業主で変わりますが、ここでは法人の場合で考えます。

※個人事業主でも「所得税の減価償却資産の減価償却方法の届出書」を所轄の税務署に提出すれば定率法に変更可能です。

当期償却額

実務では簿記学習のように電卓をたたいて減価償却費を計算することはありません。

 

上記であげた必要な情報を登録すれば自動的に当期償却額を計算してくれます。

なので、大事なことは必要な情報を間違えなく登録することです。

情報を入力すると、当期償却額は582,780円となります。

未経験者が間違えやすいポイント【取得価格】

未経験者が間違えやすいのは取得価格です。

 

それは消費税を含めるか含めないかで金額が変わるからです。

 

入力を任されると課税事業者か免税事業者を確認する必要があります。

消費税を納める義務がある → 課税事業者
消費税を納める義務がない → 免税事業者

 

免税の場合は意識する必要はないですが、注意するのは課税事業者の時です。

 

最初の頃は私も間違えてしまいました。

 

例えば、課税事業者が税込330,000円のパソコンを購入したとします。

購入時の会計ソフトの入力は

工具器具備品 / 現金 330,000円

としますが、

残高試算表には工具器具備品300,000円と表示されます。

 

これは税込330,000円に含まれる消費税を抜いているためです。

固定資産台帳の取得価格には税抜の300,000円で登録します。

 

このように課税事業者の場合は必ず税抜の金額で登録します。

 

それは厳密に言えば税込330,000円のパソコンの購入の仕訳は

工具器具備品 300,000円 / 現金 330,000円
仮払消費税  30,000円

となるからです。

 

免税事業者の場合は税込価格330,000円で登録します。

まとめ

おさらいですが、

減価償却費の合計金額を出すためには固定資産ごとに計算する必要があります。

そこで、この固定資産の個別の管理をするために「固定資産台帳」を使用します。

固定資産を購入したら会計入力だけでなく固定資産台帳に必ず登録します。

 

登録するには以下のような情報が必要です。

資産名
勘定科目
取得価格
取得年月日
事業供用開始日
新品か中古か
耐用年数
償却方法
当期償却額

これらの情報を登録すると減価償却費が自動的に計算されます。

 

特に未経験者が注意すべき点は

課税事業者か免税事業者のどちらかということです。

それは取得価格に影響するからです。

課税事業者 → 取得価格に消費税を含めない
免税事業者 → 取得価格に消費税を含める

という違いがあります。

 

固定資産の購入は頻繁にでる取引ではないと思うので、未経験者はつまずき易いポイントです。

固定資産の購入時の固定資産台帳への基本的な登録方法について今回は解説してきましたので、ぜひ覚えてみてください。

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