源泉所得税について
「自動で計算されるからあんま関係ないかなー」
「給与から引かれる税金で、所得税との違い。。?良く分からない(笑)」
という人のための記事です。
結論から言うと、「源泉所得税」を理解していないと、実務はかなりキツイです。
●給料の支給
●年末調整
●確定申告
などなど、常に絡んできます。
しかも、【源泉所得税】を知っているのが当たり前」
という前提で仕事を依頼されてしまったり。。
「源泉所得税」を前もって理解しておくと本当に楽です!!
私はけっこう苦労した記憶あり!(笑)
そこで、この記事では「源泉所得税」とはどんなものなのか、特に分かりにくい「源泉所得税」と「所得税」の違いについて理解できるように役立つ情報を提供します。
源泉所得税と所得税って同じなの?【重要】
原則、所得税はあなたが税額を計算して、税務署に「申告」して、「納税する」必要が
あります。
「源泉所得税と所得税って何が違うの?」
と疑問に思いますが
どちらも同じ所得税です!!
あなたが
①「雇われていないフリーな人」
②「勤め人(会社・個人経営などに)」
のどちらかで、あなたの所得税の納税方法も変わります。
①あなたが「雇われていない」フリーな人
・自分で「申告」して税務署に「納税する」必要あり。
⇒所得税
②あなたが勤め人(会社・個人経営などに)
雇い主が勝手に給与から「所得税」を差っ引いて後日税務署に納税してくれる。
(源泉徴収といいます)
⇒源泉所得税
要するに
あなたの「所得税」を誰が納税するかが違います
●所得税→あなた自身
●源泉所得税→あなたの「雇い主」
源泉所得税を納めないのも可能?!
「源泉所得税」を納めない「せこい会社」
あなたを雇う会社は「源泉所得税」を納税する義務がありますが、税務署に納めずに「会社のお金」にしてしまうケースもあります。
けっこう、せこいですよねー(笑)
例えば、あなたに会社が
●給与額面 22万円
●源泉所得税 △4,340円
を支給したとします。
会社は本来であれば4,340円を税務署に納付しますが、せこい会社は納付しません(笑)
結果、4,340円の得をした事になります。
(言い方が悪いですが)
「だから何?」
と思うかもしれませんが、
もし、
●他に同じ給与を8人支払う(計9人)
●5年間納税しない
とすると
5年で約230万円を得する事になります!
(約46万円×5年)
これってメチャクチャ大きいです!!
(違法なので絶対ダメですよ!!)
バレたら地獄・バレなければ天国
でも、せこい会社には税務調査という危険があります。
「バレたら地獄・バレなければ天国」
●もしも、税務調査が入ってバレる
→230万円+「ペナルティー」をプラスして払う。
●税務調査が入らずバレない
→230万円の得をする。
こういう会社がいきなり税務署に
「ペナルティーをつけて払え!」
って言われても払えるんですかね。。
もしも、業績が悪く手元にお金がなかったらかなりキビシいですよね。
実務では稀にこんな事もおきます(笑)
「源泉所得税額っていくら?どうやって計算するの?
計算の元になる項目
毎月の給与から引かれる「源泉所得税は」
①給与等の額(社会保険料を控除した後)
②甲欄・乙欄のどちらか
③扶養親族等の人数
を元に
「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」
を見て計算します。
給与所得の「源泉徴収税額表(月額表)」の見方
まず、あなたの今月の給与は以下とします。
●給与額面 22万円
●通勤手当 1万円
●社会保険料 △31,614円
●源泉所得税 △4,340円
次に、あなたの計算の元になる項目は以下とします。
①給与等の額(社会保険料を控除した後)
→188,386円(給与額面22万円 △31,614円)
※通勤手当は含めない【要注意】
②甲欄・乙欄のどちらか
→甲欄
(1社に勤めているので)
③扶養親族等の人数
→独身なので0人
では、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を実際に確認していきましょう。
出店元:国税庁URL
「赤の棒線」と「赤の枠」が重なる「4,340円」が今月のあなたの源泉所得税額になります。
●「赤の棒線」
①給与等の額(社会保険料を控除した後)
188,386円なので、左の
「187,000円~189,000円」
の金額を確認します。
●「赤の枠」
②甲欄 → ③扶養親族等の数 0人 → 「赤の枠」金額を確認します。
源泉所得税と年末調整の関係
本来、所得税はあなたが申告して納税しますが、それを管理する税務署は大変です。
働いている人は何万人もいますから。
そこで、会社に
「従業員分の所得税は会社が管理してねー」
っていうのが「源泉所得税」です。
しかし、「源泉所得税」と「所得税」はだいぶ金額が変わります。
というのも、そもそも計算方法がかなり違うからです。
「源泉所得税」と「所得税」は計算方法が異なる
●源泉所得税
①給与等の額(社会保険料を控除した後)
②甲欄・乙欄のどちらか
③扶養親族等の人数
を元に「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」をみて毎月計算します。
●所得税
①「給与等の額」の年間合計
から
・社会保険料の額
・扶養親族の人数
・支払った生命保険料
・支払た地震保険料
などなど、
色々な項目を考慮して「課税所得」を求めて税率をかけて計算します。
所得税と源泉所得税は同じ金額になる【最終的に】
繰り返しですが、会社で働いているあなたも
本来は自分で「所得税」を計算して税務署に納税をする必要があります。
しかし、会社はあなたから源泉徴収をする義務があり、
毎月、給与から「源泉所得税」を徴収します。
「じゃあ、どっちが得なの?」
と思うかもしれませんが
結論は、最終的に「金額は一緒になります」
(※収入は1社の給与のみとして)
年末調整は何をするのか?
所得税と源泉所得税の納付時期をまとめると
●所得税・・・1年に一回、年間の給与等の合計から計算して、納税します。
●源泉所得税・・・毎月の給与から徴収されます。
イメージは
●所得税
年間の給与等から正確な金額を計算する。
●源泉所得税
所得税を毎月ザックリとした金額で前払いをする。
という感覚です。
「年末調整」は年間の
ザックリ徴収した「源泉所得税額」を
→正確な金額の「所得税」に合わせる為に
差額を調整する作業です。
つまり、
●「所得税」 < 年間で徴収した「源泉所得税」
→多く徴収した「源泉所得税」をあなたに「還付」する
●「所得税」 > 年間で徴収した「源泉所得税」
→足りなかった「源泉所得税」をあなたから「追加で徴収」する
という事になります。
まとめ
いかがでしたか?
「源泉所得税」は実務では毎日のように関わってくるので、理解があやふやだと
●給与の支払
●年末調整
●確定申告
など、重要な作業でかなり苦労する事になります。
簿記の勉強でこういった事は学ばないので
●自分で学ぶ
必要があります。
私はなんとなく分かっている感じで入社1年目は
●年末調整
●確定申告
に突入してしまったので、けっこう苦労しました。
年末調整で
「源泉所得税と所得税の差額を調整する」
という事も理解していませんでした。
なんのために年末調整をするか分からず
●作業中に不安になる
●自信が持てない
と悪循環になっていました。
年末調整も確定申告も、今回の記事の内容
●源泉所得税とは何か
●源泉所得税と所得税の違い
を理解している事が大前提です。
ぜひ、この記事で「源泉所得税」について理解を深めて下さい。
コメント