あなたがクレジットカードで1万円の洋服を買ったとします。
実は
お店はその売上代金1万円全額を受け取れるわけではありません。
それは○○○が引かれるからです。
なんの事だかわかりますか?
今回はそれがピントこない人向けの記事で、○○○とその会計処理についてお話します。
日々、会計処理をしているとこういう細かい話って本当に多いんですよね(笑)
最初は先輩から細かく指摘されて
「何でそんな事をするの?」
と思うかもしれませんが必要な処理なので
とりあえず覚えちゃいましょう(笑)
まずは簡単にクレジットカード取引について理解しよう!
お店への支払いはカード会社が立替てくれている
まずはクレジットカード決済がどういったものかを説明します。
これが理解できていないと会計処理も頭に入らないので。
例えば、お店で洋服をカード払いで買ったとします。
クレジットカード決済をした時点であなたはお店に対して直接代金を支払う必要はなくなります。
何故なら、カード会社があなたの替わりに購入代金を支払ってくれるからです。
そして、お店はあなたからではなくカード会社から売上代金を受け取ることになります。
あなたがクレジットカードで支払ったら、後日カード会社から利用明細が届いて引落されますね。
同じように、お店にもカード会社から明細が届いて売上代金が振り込まれます。
要するに、あなたの替わりにカード会社がお店に代金を立替て払っているということです。
つまり、洋服をカード払いで決済して時点で
- あなた → カード会社から後日、購入代金が引き落とされる
- お店 → カード会社から後日、売上代金が振り込まれる
ということになります。
もしも、クレジットカードが無かったら?
いきなりですが、
もしもクレジットカードがなく
100人が1万円の服を買って
それぞれの人がお店に代金を振込むのを想像してみて下さい。
ものすごく非効率的ですよね。
買った人はわざわざ振込をしなければいけませんし、
お店はもっと大変です。
100人からちゃんと振り込まれたかを確認しなければなりません(笑)
振込額が少なかったら個別に連絡をとって回収する必要があります。
お店としたら
「代金100人分を管理するのは面倒だなー」
「振込を一回にまとめてくれればなー」
って思います。
これを解決してくれるのがクレジットカードなんです!
・買った人はその場でカードを出すだけ
・お店は後日100人の売上代金をまとめてカード会社から受け取れる
これってめちゃくちゃ楽ですよね。
売上代金から引かれるのは決済手数料
お店が100人分の売上代金をカード会社からをまとめて受け取れる。
この便利なサービスはもちろん無料ではありません。
カード会社にその対価を支払わなければなりません。
この対価が○○○の答え
「決済手数料」
です。
ではいつ決済手数料を支払うのか?
これは自動的に売上代金から差引かれます。
つまり、服1万円を売った場合、カード会社からの入金される売上代金は1万円から決済手数料を差引いた金額になります。
お店は1万円キッチリ受け取れるわけではないんですよね。
具体的な会計処理を見てみましょう!けっこう簡単ですよ!
仮にカード会社の決算手数料を売上代金の3.5%とします。
- 服1万を売った場合の決済手数料
売上1万円に対する手数料は
1万円 × 3.5% = 350円
- カード会社からお店に入金される売上代金は
1万円 ― 350円(決済手数料) = 9,650円
という事になります。
会計ではすべての取引を記録するので
「入金された9,650円が売上です」
ではなく
「1万円の売上代金から決済手数料350円を差引かれた9,650円が入金された」
という正確な取引内容を記録する必要があります。
この感覚はものすごく大事です!
では具体的な会計処理をみていきましょう!
- 洋服を売り上げた時の仕訳
お店が洋服1万円を販売したとすると、取引は発生したけれど売上代金はまだ入金されないので、売掛金で処理します。
売掛金 10,000円 | 売上 10,000円
- 売上代金の入金時の仕訳
後日、カード会社からお店に入金される売上代金は、決済手数料が差引かれた金額になります。
なので。売上代金9,650円が入金時に差引かれる決済手数料350円は「支払手数料」で処理します。
預金 9,650円 | 売掛金 10,000円
支払手数料 350円 |
もしも、支払手数料処理をしないで
預金 9,650円 | 売掛金 9,650円
という処理をしてしまうと。。
売掛金の残高が消されずに、350円残ってしまいます。
決済手数料の処理が漏れていると。。
決済手数料の処理が漏れていると。。
後日先輩から
「決済手数料の事の事ちゃんと考えてる?」
「免税事業者の課税売上1,000万円の基準にも影響するからしっかりして」
と言われてしまうかもしれません。
課税とか免税とかはまだ分からなくて良いと思いますが、
ようするに
手数料処理は自分が思っている以上に影響があるから、ちゃんと処理する必要がある
という事です。
まとめ
クレジットカードの売上入金時の決済手数料の処理について紹介してきました。
それでは、以下の条件で会計処理のおさらいをしていきます。
売上代金 10,000円
決済手数料 350円
預金入金 9,650円
- 売上代金の入金時の仕訳
売掛金 10,000円 | 売上 10,000円
- 売上代金の入金時の仕訳
預金 9,650円 | 売掛金 10,000円
支払手数料 350円 |
というようになります。
入金されるのは9,650円ですが、くれぐれも
預金 9,650円 | 売上 9,650円
と処理してはいけません。
会計入力では
「1万円の売上代金から決済手数料350円を差引かれた9,650円が入金された」
という正確な取引内容を記録する必要があります。
慣れないと少し面倒に感じるかもしれませんが、簿記ではこういった細かい話が多いのでしっかりと覚えておいてください。
そうすると、他の取引も理解しやすくなります。
※借入金返済の支払利息も同じように処理するので併せて読むと理解しやすいです。
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