「入力はどんどん数字を打ち込んでいくんでしょ」
「消耗品費とか勘定科目を選んでいくだけでしょ」
と思っている人向けの記事です。
入力はただ金額を打ち込んで終わりではないです。
慣れないうちはそういった作業だけで良いかもしれませんが、いずれ残高試算表をみて入力が正しいかCHする必要があります。
残高試算表を見れる人と見れない人ではかなり業務レベルに差がでます。
私も未経験で会計事務所に入社しましたが、入社2年目くらいでこの差を感じました。
残高試算表をみて入力チェックできないパートの方がいましたが、いつも入力を間違えていましたし、そのミスに気付こうともしていませんでした。
結局、しばらくして自分から退社していきました。
でも、残高試算表をみて入力チェックをするというのは時間もかかるし大変です。
「てか、残高試算表って何?」
と思いましたか?
いきなり残高試算表の話をされても何がなんだかわかりませんよね?
この記事では入力チェックするうえで必要な「残高試算表とはどんなもの」で「入力チェックは何をするか」について理解するために役立つ情報を紹介していきます。
残高試算表とは【入力ミスに気付ける】
簿記の学習では残高試算表を自分で作成しますが、実務では自分で作成しません。
会計ソフトで仕訳入力をすると自動的に残高試算表が作成されます。
残高試算表は仕訳入力した情報が集まり、全ての勘定科目の借方・貸方の残高合計が表示されます。
なので、
残高試算表をみれば勘定科目の選択ミス・固定資産の売却等の処理ミス・入力漏れなど修正すべき点が分かります。
私が勤めている会社では先輩・上司に入力チェックを依頼すると修正箇所をメールでズラーっと指摘してくれました。
最初はこんなに修正事項があるのかとビックリしましたが、私も今では新人の入力チェックをするとたくさんの修正箇所が分かるようになりました。
それも残高試算表をチェックして気付くことが多いです。
だから、残高試算表を正しく見れる人と見れない人では業務レベルが違います。
残高試算表とは以下のようなものです。
ちなみに、私が普段使用しているのは弥生会計です。
入力よりも重要な入力チェック
ただ入力をするだけならばそれほど時間はかからないです。
(クライアントにもよりますが)
それよりも入力が合っているかチェックして
「あれ?おかしいぞ?」
と気付いて
「何が間違っているんだろ。どうやって修正すればよいのか」
を考える方がずっと大変です。
だから、残高試算表でチェックできない人は入力だけしている
⇒ 簡単な仕事ばかりしている。
ということになります。
なので、入社して任された入力作業が完了して先輩・上司にチェックしてもらう時も
「よーし!入力終わったー!けっこう簡単だなー」
っとあんまり余裕をかなさないようがいいです(笑)
入力だけして満足しているとスキルアップは見込めません。
それに慣れていない人の入力をチェックするのって結構大変なんですよ。
残高試算表をみていくとおかしな点だらけだったりします。
ちなみに、私は先輩から
入力はただ指を動かせばいいだけだから単純作業
入力CHの方が大事
と言われていました。
とはいっても、入力も最初は大変ですけどね(笑)
残高試算表のBS科目を上から順にチェックしていく
入力にある程度なれたら残高試算表のBS科目を上から順にチェックしていくように上司から指示を受けました。
実際にチェックしていくと分かりますが慣れないうちは
おかしな点に気付かない
気付いてもどこが間違っているのかが分からない
間違いを修正する方法が分からない
という状況なので、最初はメチャクチャ時間がかかりました。
入力作業の倍の時間がかかっていたような印象があります。
チェックはBS・PLどちらもしますが、
先輩・上司からは
「最初はBSから見ていった方がよいよ。
BSの残高がおかしいと絶対にどこか間違っているから。
BSを修正していくとPLも修正できることが多い」
と言われました。
最初は意味がよく分かりませんでしたが、やっていくと
「そういうことだったのかー」
と理解できるようになりました。
※PLは主に損益推移でチェックしますが、この記事では紹介しません。
BS科目は
預金
売掛金
仮払金
・
・
・
買掛金
未払金
未払費用
預り金
・
・
・未払法人税等
といったようにけっこう数が多いです。
これを上から順に一つ一つ見ていきます。
もしかしたら簡単じゃん!と思う人もいるかもしれませんが、やってみると分かります。
慣れていないとかなり大変です。
具体的な残高試算表の見方【超基本の現金残高】
まずは現金勘定をチェックします。
どういうことかというと、経理資料と会計ソフトの残高を合わせる・あるべき残高に調整します。
経理資料は現金出納帳を使用しているのであれば現金出納帳です。
※イメージがつかない人は経理資料と会計ソフトの残高をあわせ方法について紹介している以下の記事も見てください。
あるべき残高に調整するといってもどういう事?
と思ってしまうかもしれません。
しかし、イメージしてもらうと分かりますが、事務所に現金が入った金庫があったとします。
その金額がマイナスになるってあり得ないですよね?
でも、領収書の会計入力をするとこういうことがおきます。
例えば、7月に10万円分の領収書を入力したとします。
6月末の現金残高は6万円だと7月の残高は▲4万円になります。
これはあるべき残高ではないです。
「こんなの誰でも気付くよー」
って思いますよね?
でも、私が新人の入力CHをするとこのケースは起きます。
みんな現金入力をして終わりだからです。
消耗品費・事務用品費などどの勘定科目にすればいいのか日付・金額に誤りはないか
ばかり考えています。
それが入力だと思っているからです。
でも、あるべき現金残高でないと入力が正しいとは言えません。
ではどうするのか?
預金から現金を引き出す処理が誤っていることもあるかもしれませんが、
役員借入金の借入処理をする方法があります。
つまり、会社が役員から現金を借りたということにします。
借入処理する日付もテキトーでいいわけではありません。
私は弥生会計を使用していますが、日別残高試算表で現金がマイナスになる日がないようにマイナスになる前の日付で仕訳処理します。
今回のケースでいれば、7/15よりも前の日に
7/10 現金 | 役員借入金 10万円
というように処理します。
すると7月末残高は6万円になります。
こういったことも残高試算表の残高をチェックすれば、現金残高がマイナスという異常値にも気付いて対応することができます。
預金・現金以外の科目
現金残高は超基本だと思いますが、他にも科目が多いですが。、
ここでは紹介しきれないので、別の記事で紹介していきます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は入力CHで重要となる残高試算表の見方について紹介してきました。
入力CHは本当に大事です。
繰り返しますが
入力はただの作業だから、入力CHに時間をかけるべき
と先輩に言われたほどです。
残高試算表を見てミスに気付き、自分で修正できる人と入力しかできない人
では業務レベルにかなりの差がつきます。
例として入力CHの超基本の現金残高について紹介しましたが、現金以外の勘定科目はたくさんあるので実務はもっと大変です。
未経験者は残高試算表をみても最初はミスに気付かない・気付いてもどう対処したらよいか分からない
といった状況になるので苦労すると思います。
しかし、続けていくといつのまにか出来るようになってきます。
「時間もかかるし、難しくてもう嫌だなー」
と思っても頑張ってください。
とりあえずやって体で覚えていくことも大事です(笑)
他の記事でも残高試算表の見方について紹介している記事があるので、ぜひ見てみてください。
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