6月になると
「そろそろ、【のうとく】だから源泉所得税を集計しておいてー」
っと先輩から言われます。
「えっ【のうとく】てなんですか?!」
っと焦った人向けの記事です。
簡単に言うと【のうとく】とは
預かった所得税(源泉所得税)の納付方法の一つで、
正式名称は「納期の特例」です。
私は最初に先輩から源泉所得税を集計しておいてと言われた時は
- えっ!?意味がわかりません(汗)
- 何で源泉所得税を集計するんですか?
- いつからいつまでを集計するんですか?
とフリーズしてしまいました(笑)
のうとくを知らないと誰でもそうなります。
この記事では、のうとく「納期の特例」が具体的にどんなものなのか・実務で何をすれば良いかについて、お役立ち情報を紹介します。
ぜひ、最後まで読んで実務でつまずかないように覚えてください。
そもそも源泉所得税ってなに?
源泉所得税を知っていないと、のうとく(納期の特例)は理解できません。
会社勤めだったら給与から天引きされているので、所得税についてあまりなじみがないかもしれません。
しかし、実は一人一人が「所得税を納付をする義務」があります。
例えば、フリーランスは自分で確定申告をして所得税を納めます。
これが本来の流れです。
「でも、会社に勤めてから一度も確定申告をしたことないし、所得税を自分で払ったことないんだけど」
と思うかもしれませんが、
これは、あなたの替わりに会社があなたの所得税を払っているからです。
給与明細を見ると源泉所得税というのが天引きされています。
その源泉所得税はどうなるのでしょうか?
社長のポケットマネーにはなりません(笑)
給料から天引きれた源泉所得税は会社が「一時的に預かって」後々、税務署に納付をしてくれます。
この一時的に給与から預かる源泉所得税はあなたの所得税です。
会社が天引きすると【源泉所得税】
という言い方になります。
つまり、だれがあなたの所得税を支払うかが違います。
あなたが払う → 所得税
会社が預かって支払う → 源泉所得税
というように覚えてもらうと分かりやすいです。
源泉所得税の納付期限【納期の特例】
従業員から預かった源泉所得税は会社が税務署に納付しますが、
当然、いつまでに納付しなければならない納付期限が決められています。
納付期限は法律で決められているので、遅れないように納付しなければまりません。
なので、実務では納付期限をしっかりと頭にいれておく必要があります。
源泉所得税の納付期限は以下の2パターンです。
① 給与を支払った時に源泉徴収した所得税は
翌月10日までに
税務署に納付をしなければなりません。
しかし、
② 給与の支給人数が常時10人未満の場合は
半年ごとの
納付が認められています。
(届出は必要です)
1~6月に支給する給与から天引きした源泉所得税 → 7/10までに納付
7~12月に支給する給与から天引きした源泉所得税 → 1/20までに納付
つまり、まとめると
源泉所得税の納付方法は
・特例・・・年2回 1~6月支給分→7/10まで 7~12月支給分→1/20まで
の2パターンです。
この特例の事を
「源泉所得税の納期の特例」
と言います。
略して「のうとく」です。
のうとく(納期の特例)の集計作業とは?【源泉所得税】
従業員から天引きした源泉所得税はいくらで、いくら税務署に納付すべきかは会社が計算しなければなりません。
税務署から
「今回は〇〇円納付してください」
と通知がくるわけではないんです。
なので経理・会計事務所が源泉所得税をいくら納付すればいいかを計算するために、会社がいくら源泉所得税を天引きしたかを集計します。
先輩・上司から依頼されるのはこういった集計業務です。
士業(資格者報酬)の源泉所得税ものうとく(納期の特例)で集計
これまでのうとく(納期の特例)では従業員から天引きした源泉所得税を集計すると説明しましたが、
実は、
士業(資格者)の源泉所得税も集計します。
どういうことかというと
税理士・弁護士・社会保険労務士といった資格をもった、いわゆる士業といわれる人に報酬をしはらった時に
源泉所得税を徴収しています。
この源泉所得税ものうとく(納期の特例)に含めて納付するので、
報酬をいくら支払ったか
いくら源泉所得税を徴収したのか
を集計する必要があります。
のうとく(納期の特例)のメリット
毎月の税金の納付は一人社長などにとっては面倒です。
もしも、あなたが一人社長だったら
- 請求書などの発行といった事務作業
- 急な取引先とのやり取り
- 営業で一日外に出ていたり
- とにかく、売上をあげることに集中したい
などやる事がたくさんあります。
「期限が決まっている毎月の納付は面倒だから、なるべくならやりたくない」
って思いますよね?(笑)
そんな忙しい中小企業のために納期の特例(のうとく)があります。
これは毎月納付ではなく、「半年分をまとめて納付して良いですよー」という制度です。
つまり納付の回数が
・毎月納付 = 12回
から
・納期の特例 = 2回
になるので、面倒な事務作業が減るというわけです。
私のような会計事務所のサラリーマンからすると集計作業は大変なので、漏れがないように毎月納付してほしいところです(笑)
仕事は後回しにせず早めに終わらせる!
【のうとく】の時期は集中して仕事を早めに終わらせたほうがいいです。
この時期はモタモタしていると後々つらくなります。
もしも、あなたが先輩・上司から依頼される入力作業でいつも忙しかったら注意してください。
通常業務にのうとく(納期の特例)の集計作業がプラスされるので仕事が終わらなくなります。
納付期限は7/10ですが、6月末頃にいっきに依頼されることも多々ありました。
- 入力の期限が近いし
- 他の業務も依頼されているのに
- 何でギリギリになって依頼してくるの
と思うかもしれませんが、
クライアントから給与関係の資料が送られてこないと作業が進められないので、こうなってしまうんですよね。
しかも、
- 送られてきた資料に不備がある
- 士業への支払があったと遅れて報告がくる
など、集計作業がスムーズに進まないこともよくあります。
そして、他にも入力業務などもあるので【のうとく】の集計作業だけを優先するわけにはいきません。
私もやる気がない時期があり、残った仕事を「明日やろう!」と伸ばし続け
・入力の締め切りがもうすぐだ!
・でも、【のうとく】の集計作業の依頼も一気にきた!
その結果、皆が退社したあとにコンビニ弁当を買って残業開始!
なんて事もありました(笑)
なので、この時期は仕事をなるべく溜めずに前もって仕事を終わらせることが大事です。
まとめ
この記事では、のうとく【納期の特例】は具体的にどんなものなのか・実務で何をすれば良いかについてお役立ち情報を紹介しました。
のうとく【納期の特例は】給与から天引きし源泉所得税を納付する方法の一つです。
源泉所得税の納付方法は以下の2パターンです。
・特例・・・年2回 1~6月支給分→7/10まで 7~12月支給分→1/20まで
いくら納付すればいいかをは会社が計算するので、いくら源泉所得税を徴収したのかを集計する必要があります。
これが、のうとく【納期の特例】で先輩・上司から依頼される集計作業です。
士業(資格者)に支払う報酬からの源泉所得税も徴収していますが、この分も集計に含めます。
この時期は通常依頼される入力作業にプラスしてのうとく【納期の特例】の集計作業を依頼されるので、どうしても仕事量は増えてしまいます。
しかも、納付期限が近づいてきて集計の依頼が重なることも多々あります。
なので、この時期は仕事をなるべくためずに、前もって早めに終わらせることが大事です。
のうとく【納期の特例】について説明してきましたが、ここででてきた源泉所得税は他の業務にも関わってきます。
以下の記事では源泉所得税と所得税の違いについてわかりやすくまとめているので、違いが曖昧な人は併せて読んでください。
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