簿記の知識が見についていれば実務もできると考えていませんか?
この記事は、ドキっとしてしまった人向けの記事です。
いきなりですが
簿記の知識が身についた = 実務もできるようになっている
と考えるのは間違いです。
たしかに、簿記の知識は実務をするうえで必要ですが、簿記2級・3級の知識は最低限必要の知識と考えたほうが良いです。
実務では簿記とはあまり関係のない業務もたくさんあります。
この意識をちゃんと持っていないと実際に働いたとときに
「あれ(汗)簿記を勉強してきたのに全然使わないぞ」
「自分の想像していた業務と全然違う」
と自分の想像と現実のギャップを感じてしまうかもしれません。
しかし、簿記とはあまり関係のない業務もすごく大事です。
なぜなら、そういった業務もきっちりできないと先輩・上司から信用されず、簿記の知識を使う業務も任せてもらえないからです。
この記事では、私自身がどんな業務を任されていたかも紹介しながら
なぜ簿記とはあまり関係のない業務も大事なのか
何故ミスが起きるのか
ミスの防止方法
を紹介していきます。
新人時代に任せられた業務【雑務】
雑務
これが私自身が新人時代に任された仕事でした。
雑務といってもやることはたくさんありました。
例えば
申告書などの出力
報告資料の作成
エクセルを使った表などの作成
各種届出書の作成
書類の郵送関連
資料整理(PDF保存など)
といったものです。
たしかに業績報告の資料を出力するには広告宣伝費や通信費といった勘定科目・販管費や当期利益といった言葉を知らないとわけが分からないとは思います。
でも、とくに簿記の知識がすごく重要というわけではありません。
報告資料の作成
クライアントの訪問時に上司が持っていく資料を会計ソフトから出力したり、エクセルで表やフラフを作成するといった作業をします。
各種届出の作成
税務署や地方自治体に提出する届出は本当にたくさんあります
例えば、
法人を設立
法人が移転
資本金を増資・減資
したような場合は税務署や地方自治体(東京都や新宿区など)に異動届出を提出しなければなりません。
その他にも
源泉書所得税の納期の特例の承認申請
申告期限延長の届出
といった「何だこれ?」と未経験者は思ってしまうような届出も作成します。
書類整理(PDF保存など)
クライアントから郵送された請求書や領収書などの経理資料を分類・整理します。
特に年末調整の時期は大量の書類が送られてくるので大変になります。
書類整理なんて簡単そうと思うかもしれませんが、
最初はこの書類は何のために必要なのかも分からないのですごく大変です。
私は書類整理もできないなんて。。と自信を無くすこともありました。
雑務も手を抜かないで取り組むべき理由
周りからの信用を得るため
もちろん、実務スキルを身につけるためにも雑務は必要です。
しかし「周りからの信用を得るため」というのはすごく大事だと思います。
特に未経験者は何もわからないので、周りも
「これなら多分できるだろう」
「これはまだできないかな」
といった感じで任せる仕事の難易度はけっこう気を使います。
そんな時にちょっとした雑務を任せてもミスばかりしていると
「こんなことも出来ないなら、他の仕事は任せられない」
と思ってしまいます。
なぜなら、雑務よりも先輩・上司がしている業務はずっと難しいからです。
だから、あなたがもしも
「雑務なんてダルいなー、間違えたっていいや」
「簿記の知識を使った業務やりたいなー」
と思ってテキトーに雑務をしてミスを連発したら
周りから信用されなくなる → 雑務以外の仕事を任せてもらえなくなる
という負のスパイアルになってしまいます。
だって、そうですよね?
誰だって信用できない人に仕事は任せません。
簡単な雑務でもミスをしてしまう【原因】
先に紹介した雑務は落ち着いてやれば間違えることはあまりないです。
それほど難しい作業ではないからです。
しかし、実務ではいつもゆっくりと落ち着いて作業できないことがほとんどです。
以下のような要因で簡単な作業でもミスが起こりやすくなります。
時間に余裕がない
他に任されている業務がない・時間に余裕があったら
間違えいがないかしっかりとチェックすることもできます。
しかし、実際は
別の人から他の作業も任されていて忙しい
別の作業をいったん中断しなければならない
急いで資料を作成してほしいとせかされる
資料の作り方が分からない
といった状況がでてきます。
なので、ゆっくりと自分のペースではできません。
こういった時にミスはおこります。
慣れていないのに効率性を求めすぎる
まだ業務に慣れていない時に効率性を上げようといくつか企業の出力を同時に進めた結果、資料がバラバラになり、一社ごとに出力をし直すハメになったことがあります。
慣れない間は少し時間がかかっても確実な方法を選んだ方が良いです(笑)
特に先輩・上司から教わった方法を無視して独自のやり方でミスはしないようにしましょう。
独自のやり方で進めたいならまずは教わった方法で慣れてからです。
優先順位を間違える
任せられた仕事の優先順位を「おそらく~だろうと」と考えて作業をすすめていったが、実は優先順位が間違っていた。
といったことがありました。
先輩からは
「優先順位を考えたら普通こっちが先じゃない?」
と言われてしまいました。
まだ業務の全体象が把握できていないうちは優先順位を正しく判断するのは難しいと思います。
経験がないのに思い込みで判断するのは避けましょう。
手順ばかりを注意して肝心なことをチェックしてない
エクセルでの資料の作成など、慣れていないと手順を理解して作業を進めるだけでも大変です。
私自身もエクセルに慣れていなかったので、データの貼り付け方・加工の仕方を覚えるだけで精一杯な時もありました。
しかし、完成した資料をもっていくと
「金額違くない?」
「パっと見で違和感に気付かない?」
と言われたことがあります。
いくら手順を思い出して作業を進めても重要な金額が間違えていたら、まったく意味が無くなってしまいます。
肝心なチェックポイントを押さえることが大事です。
ミス防止の方法
素直に先輩・上司に相談にのってもらう
何から手をつけてよいか分からなくなったら素直に聞くのが一番です。
私自身もこんなことを聞いたら自分が仕事ができないヤツと思われてしうのではないかと思った時もありました。
しかし、先輩・上司もあなたに困ってほしいわけではありません。
振った仕事を早く終わらせてほしいものです。
だって、あなたが仕事を終わらせられなくなったら自分でやらなければならないですからね。
だから、仕事を早く片付けるための相談はしてOKです。
私自身は
仕事が詰まっていて何から手を付けたらよいか分からないので優先順位を教えていただませんか。
と聞くようにしました。
先輩と上司から仕事を振られていた時に相談したら、先輩と上司でスケジュールを打合せしてくれる時もありました。
確実に仕事をこなしていく
周りでもいましたが、入社して間もないころはできることをアピールしようと確実なことをやらずに、トリッキーな動きをする人がいます(笑)
未経験者はトリッキーなことをやろうとしない方がよいです。
未経験者は最初から会社内で革新的なアイディアを求められるわけではありません。
それよりも会社のルールをまずは覚えて、周りとうまくやって、周りの業務の負担を減らすことを会社からは求められます。
なので、周りのやり方をしっかりと観察して、上司や先輩から教えてもらった方法で作業を進めましょう。
「もっと効率よさそうな方法があると思うけど」
と思ってもいうことを聞いた方が良いです。
少なくとも上司、先輩はあなたよりも経験も知識もあるので未経験者のあなたが考えた方法よりもよい方法であることがほとんどだと思います。
だから、慣れていないのにトリッキーな方法で進めるよりも、上司・先輩の指示に従って作業を進めた方がよいです。
自分のオリジナルの方法で作業をするのはしばらくたって慣れてからにしましょう。
分からないことはメモしてまとめて聞く
質問をされる先輩・上司はだいたい忙しいです
ちょこちょこ質問されたらそのたびに作業を止めなければならないので嫌がられます。
だから、質問も何度もするよりはまとめて質問をした方がよいです。
質問回数が減った方が質問される人の時間を奪わなくてすみます。
なので、私自身はだいたいはメールで質問をまとめて、お手すきの時に教えて下さいといった感じにしていました。
そうすると先輩・上司の仕事の区切りが良い時に教えてくれました。
それに質問を文章にまとめていると疑問点が解消されたりするのでオススメです。
質問しやすい環境を作る
とにかく最初は分からないことだらけなので、必ず質問することになると思います。
私は依頼された時に明らかに分からないな思ったら、先に先輩・上司に
「もしも分からないことがあれば質問してもいいでしょか」
と言っていました。
皆、いいよって言ってくれます。
やはり作業を始めて時間が経ってから分からないことを聞くのはどうしても気が引けました。
でも、最初に質問してもいいよ言ってもらえてるとすごく気が楽です。
質問をしてもいいのか、しちゃいけないのかと悩む時間はすごくもったいないですし、肝心なことを早めに確認できないとだいたいミスの原因となります。
金額の最終的なチェックをする
エクセルで表やグラフを作る時は元になるデータや作業手順などを覚えるのも大変だと思いますが、
最終的な金額を絶対にチェックしましょう。
例えばPLだと
最終的な当期損益
を絶対に間違えてはいけません。
いくら元データや作業手順を覚えていても当期損益が間違っていれば全て間違いです。
私自身も先輩に資料の提出した時に
「当期損益が間違っているけど気付いた?」
と言われて
「気づきませんでした」
としか言えないですね。
元データはたしかにアレを使ったし、手順間違えてはいないはずなのだが。。
と思っても事実、金額が違うので全て言い訳になってしまいますね。
最初は「ここだけは絶対に間違えちゃいけない注意点があれば教えてください」くらい言っても大丈夫だと思います。
先輩・上司も他に同じ仕事を誰かに振っているので、ミスし易いポイントなどは分かっています。
まとめ
今回は
・雑務でもテキトーにやるのではなく、ミスなくこなしていくことの重要性
・ミスが起きる原因とその防止方法
について説明してきました。
雑務はもちろん業務スキルを身につけるためというのはもちろですが、
周りから信用を得るためにもものすごく大事です。
雑務でもミスばかりしていると周りから信用を得られないので
「これぐらいの業務でミスをしているようだと、心配で他の業務も任せられない」
と思われてしまいます。
そうなると、いわゆる「簿記の知識を使った業務」も任せてもらえなくなります。
しかし、実際に働いてみると
・慣れていないのに効率性を求めすぎる
・優先順位を間違える
・手順ばかりを注意して肝心なことをチェックしてない
といった理由からミスもし易くなってしまいます。
ミスを防ぐために以下の予防策がお勧めです。
・確実に仕事をこなしていく
・分からないことはメモしてまとめて聞く
・質問しやすい環境を作る
・金額の最終的なチェックをする
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