「個人事業主への報酬」で【源泉徴収が必要】になる場面

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この記事は

「報酬から源泉徴収をする」のはなんとなく分かるけど,いまいち取引のイメージがつかない。

という人向けの記事です。

 

実際に職場で働くことになったら、源泉徴収が必要な取引を自分で判断できるようにならなくてはいけません。

 

なので、「なんとなく分かっているつもり」ではなく

・誰に報酬を支払うときに源泉徴収をするのか?
・どんな人が源泉徴収をするのか?

といったことをちゃんと理解しておく必要があります。

 

なぜなら、ちゃんと理解していないと

・源泉徴収する必要がないのに、源泉徴収をしてしまう
・源泉徴収すべき報酬から源泉徴収をしない

ということが起きてしまうからです。

 

それはマズイです。

そこで、この記事では報酬から源泉徴収をすることについて

・誰に支払うときに源泉徴収をするのか
・誰が源泉徴収をしなければならないのか

について説明していきますので、ぜひ最後まで読んでください。

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報酬ってどんな支払?

実際に働いていないと報酬って言われてもあまりイメージがわかないですよね。

報酬は売上原価・販管費でもつかいます。

 

例えば、

・売上原価の報酬だと

テニススクールを運営している会社が個人事業主のテニスコーチに
レッスンを依頼したら、外注費の報酬です。

 

・販管費の報酬だと

弁護士や税理士に支払う報酬(支払手数料で処理)があります。

確定申告は税理士に依頼するので、税理士に依頼をすれば報酬を支払います。

個人事業主へ支払う報酬から源泉徴収する【法人は必要なし】

個人事業主に支払う報酬から源泉徴収をする

支払う報酬から源泉徴収するのは

個人事業主への報酬

のみです。

 

個人事業主というのは、開業届出をだして法人化していない人です。

例えば、〇〇建築といわれる看板が街中にありますが

これは屋号といわれるもので会社名ではありません。

 

屋号は個人事業主の場合の会社名のようなものです。

法人化していれば㈱〇〇建築といった名称になっています。

 

会社を作ると設立時に25万円ほどかかりますし、法人の確定申告は税理士に依頼をする必要があるので、資金的に個人事業主を選ぶ人は多いです。

法人へ支払う報酬は源泉徴収はしません。

法人へ支払う報酬からは源泉徴収はしません。

 

規模は関係ありません。

一人で活動しているのでイメージ的に個人事業主?と思うかもしれませんが、従業員を雇っていない、いわゆる一人社長も源泉徴収の必要ありません。

 

ちなみに、個人事業主から法人化する場合もあるので、少し注意が必要です。

例えば、昔から外注している個人事業主(〇〇デザイン)が法人化して
「株式会社○○デザイン」になったとします。

株式会社になってからは源泉徴収する必要はなくなります。

ついうっかり個人事業主のときと同じように、源泉徴収後の金額を支払ってしまいそうですが、それはダメです。

フリーランス = 個人事業主ではない

ちなみに、最近よく耳にする「フリーランス」は必ずしも個人事業主ではありません。

つまり、フリーランスの報酬は源泉徴収が必要というわけではありません。

 

フリーランス = 特定の会社(法人)や団体に属さずに業務を行う人

の事です。

 

なので、フリーランスというのは働き方の名称です。

 

つまり、会社は社長だけで従業員を雇っていない、いわゆる一人社長もフリーランスという言い方をされます。

例えば、システムエンジニアが独立して法人を設立し、従業員を雇わずに取引先とプロジャクト事に契約をしていればフリーランスという働きかたになります。

源泉徴収が必要のない源泉徴収義務者

支払う報酬から源泉徴収をする必要がある事業主のことを

「源泉徴収義務者といいます。

 

実は、すべての事業主が個人事業主に報酬を支払う時に源泉徴収するというわけではありません。

 

個人事業主の場合、例外として次のいずれかに該当するときは、

「源泉徴収義務者」ではなくなり、支払う報酬から源泉徴収する必要はなくなります。

常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与を支払っている人
・給与の支払いがなく、税理士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人

 

実際に、外注費などを支払っていない個人事業主が、確定申告の時期だけ税理士に依頼をしているケースは多いです。

こういう個人事業主は源泉徴収する必要はありません。

 

私自身も最初は知らなくて

「あれ?なんで源泉徴収していないんだ?源泉徴収漏れ?そんなはずはないのだが?」

と戸惑ってしまったことがありました。

 

なので、個人事業主が税理士への報酬から源泉徴収をしていなくてもOKの場合もあるので、少し注意が必要です。

 

例えば、

「テニスコーチ・ヨガインストラクター・システムエンジニア」といった個人事業主は従業員を雇っていないことが多いです。

こういう人が税理士に確定申告報酬を支払う時は、源泉徴収する必要がありません。

 

 

会計入力をしていて

「税理士へ支払った報酬から源泉徴収していないぞ??!」

「先輩に源泉徴収漏れを報告しなきゃ!」

と焦ってしまわないように覚えておきましょう。

従業員を雇っていても個人事業主という

従業員を雇っていても個人事業主と言います。

 

会社でなくても「○○税理士事務所」といって5人ほどの従業員を雇っている税理士さん
も多くいますが、これは会社ではないので個人事業主です。

 

なので、こういった税理士さんに支払う報酬には源泉徴収が必要になります。

個人事業主と法人の見分け方【預金明細・出納帳など】

外注費・販管費の報酬は現金・預金から支払うことが多いのです。

現金・預金出納帳や預金通帳・取引明細の取引先を見れば、だいたいは個人か法人か分かります。

 

預金取引明細・通帳には法人は

株式会社 → カ)〇〇デザイン
有限会社 → ユ)〇〇デザイン

といったように記載されています。

 

個人事業主は個人名義が記載されています。

 

屋号で口座開設ができる銀行もあるので、必ずしも個人名義というわけではありませんが、だいたいは個人名義になっています。

たまに預金出納帳で「○○○ (株)○○デザイン」というように依頼をした人の個人名を書いているものもありますが、これは会社に報酬を支払っているので、源泉徴収は必要はありません。

まとめ

いかがでしたか?

今回は、報酬から源泉徴収をすることについて

「誰に支払うときに源泉徴収をするのか」
「誰が源泉徴収をしなければならないのか」

について説明してきました。

 

個人事業主への支払のみ源泉徴収するので、
法人への支払は源泉徴収しません。

 

個人事業主でも

・常時2人以下のお手伝いさんなどのような家事使用人だけに給与を支払っている人
・給与の支払いがなく、税理士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人

は源泉徴収をする必要がありません(「源泉徴収義務者」でない

 

実務では報酬から源泉徴収する取引はたくさんでています。

なので、なんとなく分かっている状態の知識では、どうしても苦労してしまう時がくると思います。

 

ぜひ、この記事で基本的なところは覚えて、源泉徴収が必要な取引を自分で判断できるようになってください。

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