報酬から源泉徴収する源泉所得税の計算方法・手取りからの逆算方法を紹介

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源泉徴収はいつするの?

 

と聞かれて

・給料を従業員に支払ったとき
・配当金を受け取ったとき

ということだけ思い浮かぶ人むけの記事です。

 

もちろん、この二つも大切ですが、実務はそれだけではないんです。


報酬を支払う時にも源泉徴収をするケースがあります。

 

例えば、

外注のフリーランスのライターさんに報酬を支払う時には源泉徴収をします。

えっ!?報酬を支払う時にも源泉徴収をするってどういうこと?

 

と思ってしまうかもしれませんが。
実務ではこの報酬の源泉徴収はよくでてきます。

 

なかにはフリーランスの外注先への支払が毎月バンバンでるような会社もあります。

 

こんな会社の入力は源泉徴収を理解していないと、かなりキビシいですね。

この記事では、報酬を支払う時の源泉徴収について初心者がつまずかないように「源泉徴収する理由」「源泉徴収の計算方法」について役立つ情報をお伝えします。

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そもそもなぜ源泉徴収をするのか?

源泉徴収という言葉はすごくイメージしにくいですよね。

報酬の源泉徴収といっても何をするのかもよくわからないと思います。

 

具体的に例えると

フリーランスのライターの報酬から、そのライターの所得税を差引いて支払うという事です。

 

所得税は原則、税務署に個人が申告をして納税をします。

しかし、

中には申告をしない人もいます。

 

そうすると、税金を税務署が回収できないといった事がおきます。

 

そこで、「源泉徴収」といって

・報酬を支払う事業主があらかじめ、報酬から所得税を差引いて支払い

・後日、事業主が預かった所得税を税務署に納付する。

という制度があります。

 

たしかに、そうすると報酬を受けとる人が申告しなくても、税務署は所得税を回収できます。

 

この源泉徴収される所得税を「源泉所得税」といいます。

 

実務だとこの処理を源泉処理といった言い方もします。

実務で任される源泉処理

入社して間もないころに先輩からデザイン会社の入力をまかされました。

その会社はフリーランスのデザイナーに外注しており、預金から支払った報酬額を以下のように処理をしました。

 

・外注費 29,937円 | 預金 29,937円

しかし、これって間違いなんです。。

 

外注のフリーランスへのデザインの報酬の支払は源泉徴収が必要になります。

 

先輩のチェック後に

「源泉処理がもれているから処理して」

と注意されてしまいました。

 

正しい処理は

外注費 33,000円 | 預金 29,937円

         | 預り金 3,063円

となります。

 

正直、なぜ報酬からの源泉徴収をする理由もよく分かっていませんでした。

 

先輩にどうすればよいのか聞いたら

「源泉徴収って分かりません?」

「調べながらやってみてください。」

との事。。

 

自分の知識のなさに恥ずかしさも感じましたが、源泉処理はそれぐらいに当たり前のことなんですよね。

だから、バンバン処理を早く進めていかなければなりません。

 

なので、源泉徴収する意味はもちろん。源泉徴収額の計算方法も分かっていないと、すごく処理が遅くなってしまってしまいます。

 

では、次に具体的な計算方法を説明していきます。

源泉所得税の計算方法

報酬から差引く源泉所得税は

報酬額 × 税率(10.21%) = 源泉所得税

で計算します。

 

しかし、計算のもとになる報酬額は

「消費税抜き」「消費税込み」の2つの方法があります。

 

これはどちらが正しいとかいう話ではなく、どちらもありなんです。

 

原則は「消費税込み」の報酬額から計算し、請求書に明確に報酬額と
消費税が分かれて記載されていれば「消費税抜き」で計算しても構わない

 

とされています。

 

経験上、「消費税抜き」で計算されているのが一般的という印象です。

 

つまり、源泉所得税の計算方法は以下の2通りあるということです。

①消費税抜き

報酬金額(税抜き)×0.1021 = 源泉所得税額

②消費税込み

報酬金額(税込み)×0.1021 = 源泉所得税額

 

例えばライターAさんに報酬100,000円(税抜き)を支払うとします。

 

①消費税抜きで計算

100,000円×0.1021=10,210円

②消費抜込みで計算

110,000円×0.1021=11,231円

 

このようにどちらの計算をするかで源泉所得税は変わります。

 

差し引かれる金額が②の方が多いからライターAさんは損するんじゃない?

という心配は必要ありません。

 

どちらにしろ、報酬を受けとったライターAさんは自分で確定申告をするので、①と②のどちらかを選択したら損をするといった話にはなりません。

手取金額から逆算する源泉所得税

手取金額から源泉所得税を逆算する

これはすごく大事です。

 

なぜなら、通帳や預金出納帳には支払った金額しか記載されていないからです。

請求書があれば報酬額は○○円、源泉所得税は○○円とすぐにわかります。

 

 

しかし、報酬を支払った金額しか分からなければ、

・報酬額はいくらか
・源泉所得税はいくらか

を自分で計算する必要があります。

 

これができないと源泉処理できずに入力が進まなくなってしまいます。

 

手取金額から報酬額・源泉所得税を逆算する方法は以下の2つの方法あります。

①消費税込み

手取金額 ÷ 0.8979 = 報酬額(税込み)

①消費税抜き

手取金額 ÷ 0.9979 = 報酬額(税抜き)

 

どちらかの計算で切りの良い数字がでれば、報酬額と考えて大丈夫です。

(報酬を1円単位で請求する事もないですよね)

 

そして、報酬額(税込み)と手取金額の差額が源泉所得税となります。

 

それでは、具体的に2つの例をみていきましょう。

 

●外注費 29,937円 | 預金 29,937円

①消費税込み
29,937円 ÷ 0.8979 ≒ 33,341 報酬額(税込み)

②消費税抜き
29,937円 ÷ 0.9979 = 30,000円 報酬額(税抜き)

 

この場合は見ての通り消費税抜きで計算した金額が切りが良いので
30,000円(税抜き)が報酬額となります。

 

源泉所得税は

33,000円報酬額(税込み) - 29,937円 =3,063円

となります。

 

●外注費 29,631円 | 預金 29,631円

①消費税込み
手取金額 ÷ 0.8979 = 33,000円 報酬額(税込み)

②消費税抜き
手取金額 ÷ 0.9979 ≒ 29,693円 報酬額(税抜き)

この場合は逆に消費税込みで計算した33,000円(税込み)が正しくなります。

 

上記の2通りの計算でも切りの良い金額にならずに報酬額がわからなければ、
先方に内容を確認する必要があります。

 

源泉所得税は

33,000円報酬額(税込み) - 29,631円 = 3,369円

となります。

まとめ

今回は

・報酬から源泉徴収をする理由
・報酬額から源泉所得税の求め方
・手取金額から報酬額・源泉所得税を求める方法

について紹介しました。

 

給与の源泉徴収は給与台帳などの帳簿から入力することが多いですが、

報酬の源泉徴収は自分で源泉徴収額を計算しなければならないときが多々あります。

 

そんなときに

「なんで報酬から源泉徴収するの?」
「源泉所得税の計算方法がわかりません」

の状態だといっこうに入力が進まなくなります。

 

報酬の源泉徴収は実務ではしょちゅうでる取引なので、しっかりと頭にいれておくと
本当に楽です。

 

しかし、源泉所得税の計算方法はいくつもあるわけではないので、この記事でしっかりと覚えてみてください。

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